日本の科学と技術

実在しないSTAP細胞作製の再現実験は無駄

「実在しないSTAP細胞作製の再現実験は研究費と時間の無駄遣い」

STAP細胞を報告した小保方博士らのNATURE論文にデータ捏造やデータ改竄が見つかったことから、STAP細胞の存在に対する疑義が大きくなりました。STAP細胞が存在するかどうかは科学的な検証が必要なため、理化学研究所の調査委員会のミッションではないとして議論の対象外に置かれました。調査委員会は疑義が指摘された論文の図のみを取り上げたため、残りの論文の図に関して小保方博士らが本当に実験した証拠があるのかどうかは全く明らかではありません。

STAP細胞が存在するという実験的な証拠は、信頼するに足るものが存在しない状態です。それでもSTAP現象が本当ならば非常に重要な発見になるため、世界中でSTAP細胞を再現する試みが行なわれています。残念ながら、いまだに誰も成功していません。

そんな努力を続けてきた研究者の一人、香港中文大学のケニース・リー(李)博士は、ついに再現実験を止めると表明しました。

李博士は、「自分はSTAP細胞が存在するとは思わないし、これ以上この実験を続けることは労力や研究費の無駄遣いになる。」「自分の実験に戻りたい。」と述べています。

Kenneth Ka-Ho Lee · The Chinese University of Hong Kong

Thank you all for your excellent suggestions on improving the data.  Personally, I don’t think STAP cells exist and it will be a waste of manpower and research funding to carry on with this experiment any further.

実験ノートを見せられないけれども実験データは正しいと主張したところで、それを信じる研究者はいません。

参考

  1. 「捏造ではありません」ナマ声で反論 小保方さん“臨戦態勢”へ 「週刊新潮」が直撃 (産経ニュース 2014.4.3 11:27):「週刊新潮」によると、神戸市内でその姿を発見されるや、「STAP細胞は捏造ではありません!」と、質問される前からこう言い放ったという。
  2. ラボノート (理化学研究所):“ラボノート”ってご存知でしたか? 実験ノートとも呼ばれ、研究者等が実験データやアイデアを記録し、第三者が確認をとる仕様となっていて、研究の過程を証明するためのノートです。
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