日本の科学と技術

USBで駆動する超音波式加湿器(スチーマー)

冬は室内を暖房すると空気が乾燥します。湿度の低下は美肌の敵。PCで長時間作業するときに、作業のおともにPCのUSBに挿して使う超音波式の加湿器M1 Humidifierを自分は使っています。小型でおしゃれでかわいいデザインで安いので。

スチームの出が悪くなったときに、振動子をクリーニングしろと説明書に書いていたように思いますが、振動子がどれかよくわかりませんでした。

そもそも、超音波加湿器ではどうしてスチームが出てくるのかを全く理解出来ていませんでした。どうやら、超音波振動子なるものがスチームを発生させているようです。この技術を家庭用加湿器に応用して技術開発を行ったのがTDKだそうで、TDKのウェブサイトに非常に詳細で、わかりやすい図付きの説明がありました。

給水タンクから霧化室に供給される水は、フロートスイッチにより一定水位を保つようになっていて、霧化室の底には圧電振動子が設置されています。圧電振動子は円盤状の圧電セラミックプレートの両面に金属電極をめっきで形成した素子。駆動回路から高周波の電圧が加わると、圧電振動子は超音波振動子として機能し、その振動エネルギーは水面に集中して水柱が立ち、表面張力が大幅に低下した水柱の先端部から水の微粒子が飛散します。これを送風ファンのエアフローによって、霧として送り出すというのが基本のしくみです。超音波加湿器の霧粒は数ミクロン(μm)程度ときわめて微細なため、まるで白煙のような霧を発生します。(超音波で霧をつくり出す加湿器のしくみ TDK TechMAG) *太字強調は当サイト

考えてみたら、ラボでも超音波洗浄機をあたりまえのように使っていました。しかし、スチームは発生しません。上のTDKの説明だと、なにやら絶妙な条件で水柱が立つらしいです。下のYOUTUBENの動画をみると、超音波加湿器の原理がわかりやすい。

超音波霧化ユニットHM2412 / Ultrasonic atomizer unit HM2412

 

超音波加湿器を長期間使用したときの白い粉の正体

水道水を霧化した際、長時間使用していると室内に白い粉(水道水中の不純物)が付着する場合があります。(

投込型超音波霧化ユニット 星光技研)

 

参考

  1. 霧化用振動子(富士セラミックス)圧電素子から発生する超音波エネルギーが大きくなると、その中心音圧はある指向性をもって集中します。このパワーが水面を持ち上げて水柱を発生させますが、このとき水柱端の水膜が引裂かれて霧状の微粒子を空中に放出させるのが超音波による霧化原理です。
  2. HM-2412/HM-2412C/HM-1630【超音波霧化ユニット】(本多電子株式会社) 超音波霧化ユニットだけ供給して欲しいというご要望が非常に多く、1998年8月に超音波霧化ユニット単体での発売を開始いたしました。… 振動子は空焚き(水の無い状態で動作)すると瞬間で壊れます。
  3. 超音波霧化ユニットHMC-2400紹介(エコーテック)
  4. 投込型超音波霧化ユニット(星光技研)
  5. 超音波霧化により発生させたナノサイズミスト径に与える周波数の影響(PDF) 埼玉大院理工 〇関口和彦,工藤貴久,三小田憲史,工学院大工 並木則和,鹿児島大工 二井晋
  6. 超音波霧化によるナノ液滴の発生(2011)
  7. 多孔板型超音波霧化器の霧化量制御特性(1988)
  8. 超音波霧化チップ(KONGHONG) 動作原理  圧電セラミックスは電気信号に起動されてから高周波共振が発生し、エネルギー伝達により圧電セラミックスに接着している多孔質金属膜が超音波振動を起こし、金属膜に吸着している液体が霧化する。
  9. 超音波霧化分離とは(ナノミストテクノロジーズ)

 

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