研究不正は今に始まったことではありませんが、このところ研究者の犯罪的行為に関する報道が続いています。それを受けてようやく文科省が研究不正の問題に正面から取り組む態度を示しました。
下村博文文部科学大臣は平成25年8月2日の記者会見で、「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」を設置することを公表しました。
(1:35秒~3:17秒)
「2つめは、研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォースの設置であります。前回も記者のみなさんから指摘されましたが、大変残念なことでありますけれども、昨今大学等大学の研究者によります研究不正や研究費の不正使用の問題が続けて報道されており科学技術への国民の信頼を揺るがすような由々しき事態になってきております。
文部科学省としてはこの問題をしっかり受け止め、スピード感を持って対応していきたいと考えており、福井副大臣を座長とする「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」を設置することを決定いたしました。タスクフォースでは、これまでの研究不正や研究費の不正使用への対応を改めて総括したうえで、これらの不正事案への対策について早急に検討を行ってまいりたいと思います。
また、先日、国立大学協会、学長の代表の方々が26年度の概算要求要望に来られた際に私からこのことについて改めて国立大学協会に申し入れをし、大学側も各大学側がこれについてはですね誠心誠意対応していきたいという答えもありました。」
ちなみに、タスクフォースとはもともと軍隊の用語で、任務(タスク)のために編成された部隊のこと。これから、軍隊に限らず具体的な特定の目的のために一時的に編成される部局や組織のことをこう呼びます(参考:ウィキペディア)。
研究不正の問題は、大学の学長が関与していた例もあったり、不正行為を働いた研究者の責任を問わずに雇用し続けている大学もあるくらいに根が深いのです。ですから、大学に申し入れをして誠心誠意対応していきたいという表面的な答えをもらっても全く無意味です。大学関係者に限らず、日本じゅうの全ての研究者、大学院生の意見をくみ上げることをしてほしいものです。