20180427 追記(高裁の判断)
報道
- 児童の遺族「未来の命を救える判決」 大川小・津波訴訟 (山本逸生、窪小谷菜月 岡本進 朝日新聞DIGITAL 2018年4月27日03時35分) 84人が犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の津波訴訟で、仙台高裁は校長や市教育委員会による防災体制の不備を厳しく指摘し、組織的な過失を認めた。
- 大川小津波訴訟 遺族、2審も勝訴「事前防災に不備」(毎日新聞2018年4月26日 14時10分 最終更新 4月27日 02時48分) 東日本大震災の津波で児童と教職員計84人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校を巡り、児童23人の遺族が市と県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は26日、1審・仙台地裁判決より一部の原告の慰謝料を見直すなどして損害額を約1000万円増額し、14億3617万円の賠償を市と県に命じた。
参考
- 「山へ逃げよう」の大川小児童証言は“精査中”!? 教員の会話は「検証委とりまとめ案」に盛り込まれず (池上正樹:ジャーナリスト DIAMOND online 2013.10.23) 最も問題なのは、その後の<移動においては地域のお年寄りが先頭を歩き、そのあとに児童が続いていたため、かなりゆっくりとした速度で移動をしていたようである>という描写だ。 先頭集団にいた生存児童は、「校庭にいたときから女性教諭がずっと先導していた。先生以外に、大人の姿はなかった」と証言している。
- 唯一生存した男性教諭の報告に大きな矛盾!? 大津波後の大川小生存者を見た夫妻の証言 (加藤順子 DIAMOND online 2012.9.5) 「A先生の報告書は、最初から全部嘘なんです。だいたい9割方は嘘だから。なんで嘘ついたんだかは、わかんないですけども」 私たちが訪れた目的を説明すると、工場の社長は、市教委が作成した生存教諭の聞き取り書について、いきなり、そう切り出した。「A先生は、何も濡れていないから和室にそのまま通した。Bくんの靴は、濡れていたね。靴下を脱がせて、そのまま履いているわけにはいかないということで履き替えさせた。濡れた場所はわからないですよ。おそらく歩いてくるのに、この辺も全部泥だらけだったから。Bくんは、濡れて汚かったね」
- 中妻じょうた 板橋区議会議員 @nakatsuma 7〜8mの津波が来ていることはラジオでわかっており、子どもを引き取りに来た親が必死にそれを訴えたのに動かなかったのはなぜか。なぜ教頭は川の様子を見ることを指示せず自分で見に行ってしまったのか。教頭や校長への昇進基準は何か。トップとして何をすべきか理解してトップについているのか。21:23 – 2012年7月19日
- 中妻じょうた 板橋区議会議員@nakatsuma 山を登ろうと言わなかったのは、校長不在時の責任者であった教頭と一番古株の教師。教頭はなぜか自分で川の様子を見に行ったりしてしまい、統率の動きをしていなかった。一番古株の教師が「校庭が安全だからここに留まれ」と主張し、暖をとるたき火をやるためにドラム缶2つを校庭に持ち出していた。10:49 – 2012年7月19日
- 破棄されたメモの中に“大川小児童の重大証言”も? 大きく揺らぐ石巻市教委が作成した公文書の信憑性 (池上正樹:ジャーナリスト DIAMOND online 2012.7.18) 「子どもたちの証言として、聞き取り調査で『山に逃げた方がいい』とか『ここ(校庭)にいたら死んでしまう』とか、言っている(ものがある)。ただ、5月の聞き取り調査記録の中には、(その証言が)一切ないんですよ。(市教委は)メモを廃棄したから、今となっては証拠がないっていう結果だと思うんです。聞き取り調査の中になければ、教育委員会としては、私たちに説明できませんよね?」
- 大川小学校児童津波被害国賠訴訟を支援する会
2011年3月11日の東日本大震災で起きた津波により宮城県石巻市立大川小学校の多数の児童と教職員が亡くなりました。地震発生後、45分間も児童を校庭にとどめ、走れば1分の距離の学校の裏山に避難させなかったのは学校側の安全配慮義務違反だとして遺族が訴えていた裁判で、仙台地裁は学校側の過失を認め、市と県は計約14億2600万円を原告に支払うよう命じる判決を2016年10月26日に言い渡しました。
- 午後2時46分 地震発生 大川小の教職員は約45分間、児童に校庭で待機するよう指示
- 午後3時半ごろまでには、石巻市の広報車が津波が松林を越えてきていることを告げながら避難を呼びかけ。
- 午後3時37分ごろ 高さ8メートルを超す津波にのまれ児童74人と教職員10人の計84人が死亡・行方不明。助かったのは男性教務主任1人と児童4人。
児童は津波により死に至ったのではない。学校にいたから死ななければならなかった。もし、先生がいなかったら、児童は死ぬことはなかった。本件は、明らかに人災である。(大川小遺族が「明らかに人災」と提訴 総額23億円の損害賠償請求 DIAMOND ONLINE 大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ真実~【第38回】 2014年3月10日)
R_20141128-2201-f-NHKスペシャル 東日本大震災「大川小学校・遺族たちの3年8か月」[字]-hl-NHK総合1・東京
市側の主張
- 学校は海岸まで約4キロあり、津波浸水被害の想定域外だったため津波到達を予測できなかった
- 裏山は崩落や倒木などの危険があった
- 同小校庭より約6メートル高い北上川の橋のたもとを避難先に選んだことは合理的
遺族の主張
- 地震発生後に大津波警報の防災無線が流され、保護者が津波警報発令を教員に伝えたことから、津波は予測できた
- 児童を校庭で約45分間待機させた
- 校庭から小走りで1分程度の裏山に児童を退避させるべきだった
- 予想された津波の高さは6~10メートルだったのに、標高7メートル余りしかない北上川の堤防付近の交差点に避難しようとした
参考
- 大川小学校事故検証報告書(石巻市)
- 大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~(DIAMOND ONLINE)
- 大川小学校児童津波被害国倍訴訟を支援する会:”あの日大川小の子どもたちを救うためには何が足りなかったのか、有識者会議の議事録や最終報告をいくら読んでも答えが書いてありません。市教委も国や県に実に表面的な報告しかしていません。”
- 生存者14歳少年が証言する3・11大川小の過ち(女性自身 2014年03月15日):”「おい(俺)は、てっきり山に行くと思っていたけど、もう進んでいたので、『まっ、いいか』って。公民館の前あたりに来たとき教頭先生が戻ってきて、『津波が来たので、早く移動してください』と言われて、小走りで山沿いの道を、民家の間を抜けて県道へ出ようとした。そのとき、波がこぼれてくるのが見えて。家が爆発したと思って、砂煙がパーッと上って、なんだかわかんないけど、『逃げなきゃ』と思って、逆戻りしていた」”
書籍
報道
- 大川小学校の津波訴訟 石巻市などに14億円余の賠償命令(NHK NEWS WEB 10月26日 18時08分):”東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県石巻市の大川小学校の児童の遺族が訴えた裁判で、仙台地方裁判所は「市の広報車が避難を呼びかけたのを教員らが聞いた時点で、津波が到達する危険を予測できた」と指摘して、石巻市などに対し原告全員に14億円余りの賠償を支払うよう命じました。”
- <大川小訴訟>石巻市と県に14億円賠償命令(河北新報 10月26日(水)15時16分配信):”東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった宮城県石巻市大川小の児童23人の19遺族が市と宮城県に23億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁(高宮健二裁判長)は26日、学校の責任を認め、計約14億2660万円を支払うよう市と県に命じた。”
- 大川小訴訟、14億円賠償命令 津波襲来「予見できた」(朝日新聞DIGITAL 船崎桜 2016年10月26日15時44分):”東日本大震災の津波で74人の児童と10人の教職員が死亡・行方不明となった宮城県の石巻市立大川小学校をめぐり、児童23人の遺族が石巻市と宮城県に計23億円の損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁(高宮健二裁判長)は26日、市と県に約14億円の賠償を命じる判決を言い渡した。”
- 学校側に過失、14億円賠償命令=管理下の児童、津波で犠牲-大川小訴訟・仙台地裁(時事ドットコムニュース 2016/10/26-19:27):”東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の児童74人のうち、23人の遺族が、市と県に計23億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、仙台地裁であった。”